19世紀中頃、イギリスにおいて産業に関わるあるムーブメントが興りました。 ウィリアム・モリスが提唱した“アーツアンドクラフツ”運動がそれです。18世紀末から始まった産業革命(産業機械による大量生産)は、その生産性優先主義から劣悪なデザインを産み続け、さらにはクオリティーを下げ続けていたのです。 “アーツアンドクラフツ”は、これに抗して匠の業を取り戻し、製品の価値を復活させるものでした。 デザインについても革新をもたらしたこのムーブメントは、その後アメリカにも渡り、ヨーロッパ大陸ではやがて“アール・ヌーボー”へと発展していったのです。この近代工業デザインの変革から1世紀以上後のデフレの今、私達も同じ問題に直面しました。そして、生産性とデザイン性、クオリティーの狭間で大いに悩みました。その結果、導き出した答え。“優れたデザインとクオリティーの高いハンドクラフトのみが、人の感性とダイレクトに対話しうる。”これは奇しくも“アーツアンドクラフツ”と同じ方向性のものだったのです。 品位ある人物の持つ知性と感性に訴えかけることのできる、モノづくり。 これは、アルミホイールであれば何でも構わないという考えとは大きく異なります。優れたデザイン性と高いクオリティー無くして、その人物の教養に耐え感受性に響き合うモノがあり得ないことを、1世紀以上前の“過去”とデフレの“現在”から学びました。そして、デザインとクオリティーの向上を産業機械のみに頼ることの限界と、ハンドクラフトが常に人の手と目と感覚によって成り立つことの優越性を知ったのです。 良いものを長く所有する悦びや、良いものを持つことによって自らの個性を主張できるという心地よさを感じていただくために。その保証をより確実にするためのデバイスとして、こだわりを具現化できるハンドクラフトを選択しているのです。 つまり私達が目指すのは、ハイクオリティー・ハイデザインによる価値の確立なのです。 こだわりのビジュアル、ハンドクラフト要素の強い生産方式、セミオーダーメイドだからこそできるカスタマイズセレクションシステムなど、私たちがモノ作りに手間を惜しむことはありません。“Arts and Crafts”の基本理念にも通ずる、ハンドメイドの高品質性と大量生産製品にはないオリジナリティーを柱とし、ハイステイタスカーライフの未来を切り拓いていきます。 |